【国・チーム概要】
人口:約340万人 国土面積:約176,200平方キロメートル 首都:モンテビデオ 公用語:スペイン語
南米大陸の南東部に位置する国で、「大国に挟まれた、なだらかな草原の国」です
正式名称を「ウルグアイ東方共和国」という通り、ウルグアイ川の東側に位置しています
北から東にかけてはブラジル、西はウルグアイ川を挟んでアルゼンチンと接しています
南側は巨大な河口であるラ・プラタ川に、南東側は大西洋に面しています
南緯30度〜35度付近にあり、日本でいうと九州から本州あたりを南半球にひっくり返したような位置関係です
国土のほとんどが標高200m以下の低い丘(クチージャ)と平原で構成されています
国土の約8割以上が「パンパ」と呼ばれる肥沃な草原地帯で、放牧に適しているため、人口よりも牛の数が多いことで知られています
年間を通じて温暖で、冬でも雪が降ることは極めて稀です
国土面積は日本の約半分ほどです
ウルグアイで最も人気のあるスポーツは、圧倒的にサッカーです
ウルグアイにとってサッカーは単なるスポーツではなく、「国の魂」や「文化」そのものです
1930年の第1回W杯の開催国であり、初代王者でもあります
これまで2度のW杯優勝(1930, 1950年)を誇り、人口わずか340万人ほどの小国ながら、ブラジルやアルゼンチンと肩を並べる強豪国です
ルイス・スアレス、ディエゴ・フォルラン(元セレッソ大阪)、エディンソン・カバーニなど、世界的な名選手を次々と生み出しています
ウルグアイは人口が少ない分、スポーツ選手が「国の代表」として戦うことへの責任感や情熱が非常に強いのが特徴です
ワールドカップへは今回含め5大会連続15回目の出場となります
FIFAランキング:16位(2025/11/19付) 15位(2025/10/17付)

【南米予選】
南米予選では、4位で通過し、本大会出場権を獲得しました
| 順位 | チーム | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 勝点 |
| 1 | アルゼンチン | 12 | 2 | 4 | 31 | 10 | 38 |
| 2 | エクアドル | 8 | 8 | 2 | 14 | 5 | 29 |
| 3 | コロンビア | 7 | 7 | 4 | 28 | 18 | 28 |
| 4 | ウルグアイ | 7 | 7 | 4 | 22 | 12 | 28 |
| 5 | ブラジル | 8 | 4 | 6 | 24 | 17 | 28 |
| 6 | パラグアイ | 7 | 7 | 4 | 14 | 10 | 28 |
| 7 | ボリビア | 6 | 2 | 10 | 17 | 35 | 20 |
| 8 | ベネズエラ | 4 | 6 | 8 | 18 | 28 | 18 |
| 9 | ペルー | 2 | 6 | 10 | 6 | 21 | 12 |
| 10 | チリ | 2 | 5 | 11 | 9 | 27 | 11 |
| ARG | ECU | COL | URY | BRA | PRY | BOL | VEN | PER | CHL | |
| アルゼンチン | - | 1-0 0-1 | 1-2 1-1 | 0-2 1-0 | 1-0 4-1 | 1-0 1-2 | 3-0 6-0 | 1-1 3-0 | 2-0 1-0 | 3-0 1-0 |
| エクアドル | 0-1 1-0 | - | 0-0 1-0 | 2-1 0-0 | 0-1 0-0 | 0-0 0-0 | 2-1 4-0 | 0-0 2-1 | 1-0 0-0 | 1-0 0-0 |
| コロンビア | 2-1 1-1 | 0-0 0-1 | - | 2-2 2-3 | 2-1 1-2 | 1-0 2-2 | 0-1 3-0 | 1-0 6-3 | 1-1 0-0 | 0-0 4-0 |
| ウルグアイ | 2-0 0-1 | 1-2 0-0 | 2-2 3-2 | - | 2-0 1-1 | 0-0 0-2 | 3-0 0-0 | 0-0 2-0 | 0-1 3-0 | 3-1 0-0 |
| ブラジル | 0-1 1-4 | 1-0 0-0 | 1-2 2-1 | 0-2 1-1 | - | 0-1 1-0 | 5-1 0-1 | 1-1 1-1 | 1-0 4-0 | 2-1 3-0 |
| パラグアイ | 0-1 2-1 | 0-0 0-0 | 0-1 2-2 | 0-0 2-0 | 1-0 0-1 | - | 1-0 2-2 | 0-1 2-1 | 0-0 1-0 | 0-0 1-0 |
| ボリビア | 0-3 0-6 | 1-2 0-4 | 1-0 0-3 | 0-3 0-0 | 1-5 1-0 | 0-1 2-2 | ー | 4-0 0-2 | 2-0 1-3 | 2-1 2-0 |
| ベネズエラ | 1-1 0-3 | 0-0 1-2 | 0-1 3-6 | 0-0 0-2 | 1-1 1-1 | 1-0 1-2 | 0-4 2-0 | ー | 1-1 1-0 | 3-0 2-4 |
| ペルー | 0-2 0-1 | 0-1 0-0 | 1-1 0-0 | 1-0 0-3 | 0-1 0-4 | 0-0 0-1 | 0-2 3-1 | 1-1 0-1 | ー | 0-2 0-0 |
| チリ | 0-3 0-1 | 0-1 0-0 | 0-0 0-4 | 1-3 0-0 | 1-2 0-3 | 0-0 0-1 | 1-2 0-2 | 0-3 4-2 | 2-0 0-0 | ー |
【主力選手】
現在のウルグアイ代表(セレステ)は、マルセロ・ビエルサ監督のもと、長年チームを支えたスアレスやカバーニといった黄金世代から、欧州のメガクラブで主軸を担う20代の選手たちへの世代交代が非常にスムーズに進んでいます
フェデリコ・バルベルデ Federico Valverde (スペイン:レアル・マドリード) MF 1998/7/22生 182/78
キャプテン 圧倒的な運動量、長距離砲のシュート、そしてリーダーシップを兼ね備えた「世界最高のMF」の一人
ロドリゴ・ベンタンクール Rodrigo Bentancur (イングランド:トッテナム) MF 1997/6/25生 187/72
高い技術と広い視野を持つ司令塔 中盤でのボール奪取能力も高く、攻守のバランスを整えます
マヌエル・ウガルテ Manuel Ugarte (イングランド:マンチェスターU) MF 2001/4/11生 182/75
驚異的なボール回収能力を誇り、相手の攻撃の芽を摘み取る「掃除屋」です
ダルウィン・ヌニェス Darwin Núñez (サウジアラビア:アル・ヒラル) FW 1999/6/24生 187/81
スアレスから背番号9を継承した絶対的エース 圧倒的なスピードと身体能力を武器に、ビエルサ流の縦に速いサッカーの象徴となっています
ロナルド・アラウホ Ronald Araújo (スペイン:バルセロナ) DF 1999/3/7生 191/96
世界最高クラスのセンターバック 対人守備が極めて強く、スピードも速い 一人で広大なエリアをカバーする
ホセ・マリア・ヒメネス José María Giménez (スペイン:アトレティコ・マドリード) DF 1995/1/20生 185/77
経験豊富なディフェンスリーダー 激しいプレーと空中戦の強さは、伝統的なウルグアイの守備スタイルそのもの
マティアス・オリベラ Mathías Olivera (イタリア:ナポリ) DF 1997/10/31生 184/78
攻守にわたって粘り強いプレーを見せ、現代的なサイドバックとして機能しています
セルヒオ・ロシェ Sergio Ramón Rochet Álvarez (ブラジル:インテルナシオナル) GK 1993/3/23生 189/82
長年正GKを務めたムスレラの後継者 安定したセービングとコーチングで最後線を支えます
【チーム特徴・注目度・展望】
現在のウルグアイ代表は、世界的名将マルセロ・ビエルサ監督(通称:エル・ロコ/変人)の就任により、伝統的な強みに「圧倒的な運動量とスピード」が加わった、世界で最もエネルギッシュなチームの一つになっています
前線から強烈なプレスをかけ続け、相手に息をつく暇を与えません ボールを奪ってからのカウンターの速さは世界トップクラスです
もともとの持ち味である「球際の激しさ」や「泥臭い守備」に、機能的なパスワークと組織的な連動が加わりました
バルベルデ、ベンタンクール、ウガルテといった、「走れる、奪える、運べる」の三拍子そろった中盤の質は、世界でも1、2を争うレベルです
守備時は相手一人ひとりに徹底的にマークをつける独特なスタイルを採用しており、相手の司令塔を封殺することに長けています
90分間全力で走り続けるスタイルのため、試合終盤に強度が落ちることがあります また、選手への身体的負荷が非常に高く、主力選手が怪我で離脱しやすい点が最大の懸念です
守備が対人(マンマーク)に依存するため、マークを外されたり、個人のスピードで振り切られたりすると、一気に守備組織が崩壊する脆さがあります
エースのダルウィン・ヌニェスは爆発力がある一方で、決定機を外す場面も目立ちます 伝説的なストライカーだったスアレスやカバーニのような「理不尽なまでの決定力」をチームとしてどう補うかが課題です
ビエルサ監督は自身の哲学を一切曲げないことで有名で、相手が対策を練ってきた際、柔軟に戦術を変更することが少なく、ハマらないときはそのまま自滅するパターンもあります
南米予選ではアルゼンチンやブラジルを圧倒する強さを見せる一方で、格下相手に勝ち点を取りこぼすこともある、非常に「極端で魅力的なチーム」です
前回2022年大会では、ポルトガル(0-2)、ガーナ(2-0)、韓国(0-0)と同組になり、1勝1分1敗で惜しくも3位でグループリーグ敗退となりました
今回は、グループリーグ突破はもちろん、さらにその先へ期待できるだけのメンバーをそろえているチームです
【備考】
ウルグアイ代表のユニフォームに星が「4つ」付いているのを見たことがありますか? W杯優勝は2回(1930, 1950)ですが、W杯が始まる前のオリンピック(1924, 1928)も世界一の大会と見なして星を刻んでいます
ウルグアイのサッカーがなぜこれほどまでに強いのか、その精神性を表す言葉が「ガラ・チャルーア(不屈の闘志)」という言葉です
スポーツに限らず、ウルグアイ人は自分たちのことを「人口の少ない小国(大国ブラジルとアルゼンチンに挟まれた国)」と自覚しています だからこそ、「小さくても、知恵と勇気と根性があれば大きな相手に勝てる」というこの精神が、国民の誇りとなっているのです