【国・チーム概要】
人口:約5280万人 国土面積:約1,141,000平方キロメートル 首都:ボゴタ 公用語:スペイン語
コロンビアは南アメリカ大陸の北西端に位置する国で、南米で唯一、太平洋と大西洋(カリブ海)の両方に海岸線を持つという非常にユニークな地理的特徴を持っています
北緯約12度から南緯約4度の間にあり、赤道が国土の南部を通っています
北はカリブ海、西は太平洋に面しています
北西:パナマ 東:ベネズエラ 南東:ブラジル 南:ペルー 南西:エクアドル と国境を接しています
南米を貫くアンデス山脈が、コロンビア国内で「西・中央・東」の3つの山系に分かれ、標高5,000mを超える雪山や火山もあり、首都ボゴタ(標高約2,640m)などの主要都市はこの高地地域に集中しています
赤道直下のため、季節(春夏秋冬)による温度変化はほとんどありませんが、標高(高さ)によって気候が劇的に変わるのが特徴です
国土面積は日本の約3倍ほどです
日本は国土の約70%が山地ですが、コロンビアもアンデス山脈が縦断しているため山岳地帯が多い国です
しかし、東部には「リャノ」と呼ばれる広大な平原や、南部には広大なアマゾンの熱帯雨林が広がっており、日本よりも未開の自然が占める割合が非常に高いのが特徴です

コロンビアでは、自転車競技はサッカーに次ぐ第2の人気スポーツとされています
アンデス山脈の高地で鍛えられたコロンビア人選手は、特に登り坂に強い「クライマー」として世界最高峰のレースで活躍しています
エガン・ベルナルが2019年にツール・ド・フランスで総合優勝(南米人初)を果たした際は、国中が沸き立ちました
コロンビアには「テホ」という、法律でも認められた公式の国技があります
粘土の的に向かって「テホ」と呼ばれる金属の円盤を投げ、的の周りには火薬の入った小さな袋が置かれており、命中して「パンッ!」と爆発すると高得点になります
ビールを飲みながら仲間と楽しむ社交的なスポーツとして、農村から都市部まで広く親しまれています
コロンビアにおいて、サッカーは単なるスポーツの枠を超え、「国民を一つにする唯一の宗教」と言われるほど特別な位置づけにあります
コロンビアは歴史的に、政治的な対立(保守党 vs 自由党)や長年の内戦、麻薬組織の問題など、国内に深い分断を抱えてきました
かつてのサントス大統領は、ゲリラ組織(FARC)との和平交渉の際にも、国民の心を一つにするためにサッカーの力を政治的に利用したほど、その結束力は強力です
政治や地域、貧富の差が激しいコロンビアにおいて、「サッカーの代表チーム(セレシオン)」だけは、あらゆる壁を越えて国民が共通の誇りを持てる唯一の存在とされています

ワールドカップへは今回含め2大会ぶり7回目の出場となります
FIFAランキング:13位(2025/11/19付) 13位(2025/10/17付)

【南米予選】
南米予選では、アルゼンチン、エクアドルに次ぐ3位で、本大会出場権を獲得しました

順位チーム得点失点勝点
アルゼンチン1224311038
エクアドル88214529
コロンビア774281828
ウルグアイ774221228
ブラジル846241728
パラグアイ774141028
7ボリビア6210173520
8ベネズエラ468182818
9ペルー261062112
10チリ251192711
ARGECUCOLURYBRAPRYBOLVENPERCHL
アルゼンチン1-0
0-1
1-2
1-1
0-2
1-0
1-0
4-1
1-0
1-2
3-0
6-0
1-1
3-0
2-0
1-0
3-0
1-0
エクアドル0-1
1-0
0-0
1-0
2-1
0-0
0-1
0-0
0-0
0-0
2-1
4-0
0-0
2-1
1-0
0-0
1-0
0-0
コロンビア2-1
1-1
0-0
0-1
2-2
2-3
2-1
1-2
1-0
2-2
0-1
3-0
1-0
6-3
1-1
0-0
0-0
4-0
ウルグアイ2-0
0-1
1-2
0-0
2-2
3-2
2-0
1-1
0-0
0-2
3-0
0-0
0-0
2-0
0-1
3-0
3-1
0-0
ブラジル0-1
1-4
1-0
0-0
1-2
2-1
0-2
1-1
0-1
1-0
5-1
0-1
1-1
1-1
1-0
4-0
2-1
3-0
パラグアイ0-1
2-1
0-0
0-0
0-1
2-2
0-0
2-0
1-0
0-1
1-0
2-2
0-1
2-1
0-0
1-0
0-0
1-0
ボリビア0-3
0-6
1-2
0-4
1-0
0-3
0-3
0-0
1-5
1-0
0-1
2-2
4-0
0-2
2-0
1-3
2-1
2-0
ベネズエラ1-1
0-3
0-0
1-2
0-1
3-6
0-0
0-2
1-1
1-1
1-0
1-2
0-4
2-0
1-1
1-0
3-0
2-4
ペルー0-2
0-1
0-1
0-0
1-1
0-0
1-0
0-3
0-1
0-4
0-0
0-1
0-2
3-1
1-1
0-1
0-2
0-0
チリ0-3
0-1
0-1
0-0
0-0
0-4
1-3
0-0
1-2
0-3
0-0
0-1
1-2
0-2
0-3
4-2
2-0
0-0

【主力選手】
2025年現在、コロンビア男子代表チーム(愛称:ロス・カフェテロス)は、ベテランの経験と欧州トップリーグで活躍する若手の勢いが融合した非常に強力な布陣となっています
ルイス・ディアス Luis Díaz (ドイツ:バイエルン・ミュンヘン) FW 1997/1/13生 178/65
 現在のコロンビア最大のスター 爆発的なスピードと変幻自在のドリブルが武器で、世界屈指のアタッカー
ハメス・ロドリゲス James Rodríguez (メキシコ:クラブ・レオン) MF 1991/7/12生 180/75
 かつてのW杯得点王もベテランの域に入る 左足のキック精度と創造性は依然としてチームの戦術的支柱
リチャルド・リオス Richard Ríos (ポルトガル:ベンフィカ) MF 2000/6/2生 187/74
 守備的ミッドフィルダー スタミナ豊富で攻守に貢献できる現代的なボランチ
ジョン・デュラン Jhon Durán (トルコ:フェネルバフチェ) FW 2003/12/13生 185/73
 驚異的な身体能力を持つ若きストライカー プレミアリーグでもスーパーサブとしてゴールを量産
ダビンソン・サンチェス Davinson Sánchez (トルコ:ガラタサライ) DF 1996/6/12生 187/83
 高い対人能力と経験を持ち、守備ラインを統率します
ダニエル・ムニョス Daniel Muñoz (イングランド:クリスタル・パレス) DF 1996/5/25生 183/69
 攻撃参加が非常に強力で、セットプレーからの得点力も備えた「点も取れるサイドバック」です
カミロ・バルガス Camilo Vargas (メキシコ:アトラス) GK 1989/3/9生 185/80
 長年代表を支えた伝説的GKダビド・オスピナに代わり、現在の正守護神として安定したセービングを見せる

チーム特徴・注目度・展望】
コロンビア代表(ネストル・ロレンソ体制)は、南米予選でもアルゼンチンやブラジルを脅かす存在であり、非常にバランスの取れた強豪チームです
ネストル・ロレンソ監督のもと、非常に組織的で攻撃的なサッカーを展開しており、世界ランキングでもトップ15前後を維持する強豪国です
エースのルイス・ディアスを中心に、サイドからの突破力が世界屈指で、特にカウンターの局面では、少人数で一気にゴールまで陥れるスピードとテクニックを兼ね備えています
ベテランのハメスが自由自在に動いてパスを供給する「司令塔」として機能しています
彼の高精度な左足から繰り出されるロングパスやセットプレーは、依然として世界トップレベルの得点源です
リチャルド・リオスやジョン・アリアスなど、中盤にフィジカルが強く、かつ動ける選手を配置しています
前線からの激しいプレスでボールを奪い、素早く攻撃に転じるスタイルが浸透しています
ホームのバランキージャ(非常に高温多湿)での試合は、相手チームにとって過酷な環境となり、これを味方につける勝負強さを持っています
攻撃時にサイドバックが高い位置を取るため、カウンターを受けた際にその裏のスペースを突かれやすい傾向があり、特に守備への切り替えが遅れた際、センターバックが数的不利に陥ることがあります
チャンスは多く作るものの、決定的な場面で決めきる「絶対的なエースストライカー」が定まりきらず、ジョン・デュランなどの若手の成長が期待されていますが、格下相手に勝ちきれない試合が出る原因にもなります
南米チーム特有の熱さがあり、試合が荒れた際に冷静さを失い、カードを連発したり判定に熱くなりすぎたりして自滅する場面が稀に見られます
ハメスが封じられた際や不在の際、攻撃の創造性が一段階落ちてしまう懸念があり、彼に代わるゲームメイカーの育成が常に課題とされています
2024年のコパ・アメリカでの準優勝を経て、2025年現在は「南米で最も勢いのあるチーム」の一つと評価されています
2016年大会のベスト8を上回る成績が期待されるチームです

【備考】
コロンビアと麻薬の問題は、歴史的にこの国のイメージを決定づけてきた非常に根深い問題です
パブロ・エスコバルは、1980年代から90年代にかけて世界最大の麻薬組織「メデジン・カルテル」を率いた人物です
彼は単なる犯罪者を超え、コロンビアの国家を揺るがすほどの権力と富を握り、現代史に類を見ない「麻薬王」として君臨しました
彼の歴史は、凄惨な暴力と、貧困層からの圧倒的な支持という、極端な二面性に特徴づけられます
1949年、農民と教師の息子として誕生し、墓石の窃盗や自動車泥棒から犯罪キャリアをスタートさせました
1970年代、それまでの大麻から利益率の高いコカインの密売に目をつけ、1976年に「メデジン・カルテル」を創設
全盛期には世界のコカイン流通の約80%を支配し、1ヶ月に約80トンを米国へ密輸し、個人資産は世界第7位(フォーブス誌)にランクインするほどでした
エスコバルは「プラタ・オ・プロモ(銀か鉛か)」という有名な言葉で知られます
「賄賂を受け取る(銀)か、銃弾を浴びる(鉛)かを選べ」という究極の二択です
政治家、裁判官、警察官を次々と暗殺し、自分を大統領にする夢を抱き、一度は国会議員にも当選しましたが、告発されるとテロ活動を激化させました
航空機の爆破やビル爆破、大統領候補の暗殺など、国全体を戦場に変えました
一方で、彼は貧困層から「パパ・パブロ」と呼ばれ熱狂的に支持されました
自分の富を使い、スラム街に住宅、学校、病院、サッカー場を建設しました
政府が無視してきた貧しい人々に直接援助を与えたことで、当局の捜査が入る際、住民たちが彼を匿う「人間の盾」となりました
米国への引き渡しを逃れるため政府と交渉し、自らが建設した豪華な施設に収監されますが、そこからも組織を操り続けました
移送を恐れて脱走し、米国(DEA/デルタフォース)とコロンビア特殊部隊、そして彼に恨みを持つ敵対組織(ロス・ぺぺス)による大規模な包囲網が敷かれ、1993年12月2日、44歳の誕生日の翌日にメデジンの屋根の上で銃撃戦の末、射殺されました
エスコバルの死後、コロンビアは長い時間をかけて治安を回復させてきましたが、彼の作った「麻薬生産の構造」はいまだに解決すべき大きな課題として残っています