【国・チーム概要】
人口:約1140万人 国土面積:約27,700平方キロメートル 首都:ポルトープランス 公用語:ハイチ語、フランス語
カリブ海の大アンティル諸島に属し、イスパニョーラ島の東側約3分の2は、ドミニカ共和国が占めています 
ハイチは、このドミニカ共和国と陸続きの国境を共有しています
北は北大西洋、南はカリブ海に面し、西側はウィンドワード海峡を隔ててキューバがあります

国土面積は岩手県と宮城県を合わせたくらいです
ハイチは国土が狭いにもかかわらず、人口が約1,100万人と多く、カリブ海地域で最も人口密度の高い国の一つとなっています
サッカーはハイチで最も盛んで人気のスポーツです
ハイチサッカーの歴史は、1973年のCONCACAF選手権(中南米選手権)優勝と、それに続く1974年W杯出場が最大のハイライトです
また、女子代表の2023年W杯初出場も、ハイチサッカーにとって非常に重要な出来事となりました
ワールドカップへは今回含め52年ぶり2回目の出場となります
前回出場の1974年西ドイツ大会では、3戦全敗で敗退しています

FIFAランキング:84位(2025/11/19付) 88位(2025/10/17付)

【北中米予選】
3次予選(最終予選) グループCで、前回大会出場のコスタリカなどを抑えて、本大会出場権を獲得しました
最有力とみられていたコスタリカを退けての獲得は立派です(コスタリカは前回大会で日本に1-0で勝利しています)

順位チーム得点失点勝点
ハイチ3219611
ホンジュラス231529
コスタリカ141867
ニカラグア1144124
HTIHNDCRINIC
ハイチ0-0
0-3
3-3
1-0
3-0
2-0
ホンジュラス0-0
3-0
0-0
0-0
2-0
0-2
コスタリカ3-3
0-1
0-0
0-0
1-1
4-1
ニカラグア0-3
0-2
0-2
2-0
1-1
1-4

【主力選手】
現在のハイチ代表チームは、主にフランスや北米のリーグでプレーする選手たちで構成されています
ドゥケンズ・ワイルド・ナゾン Duckens Nazon(トルコ:カイセリスポル) FW 1994/4/7生 181/
 チームのエースであり、決定力を持つストライカー 代表での得点数も多く、攻撃の中心
フランツディ・ピエロ Frantzdy Pierrot(ギリシャ:AEKアテネ) FW 1995/3/29生 194/
 長身を活かしたポストプレーと空中戦の強さが武器 ナゾンと並んで前線の起点となる
デリック・エティエンヌ Derrick Étienne Jr.(アメリカ:アトランタ・ユナイテッド) MF 1996/11/25生 178/
 スピードとドリブルに優れるアタッカー サイドからの突破とチャンスメイクで貢献する
ブライアン・アールセウス Bryan Alceus(ルーマニア2部:ACSMポリテフニカ・ヤシ) MF 1996/2/1生 175/
 中盤で攻守のバランスを取る重要な選手 運動量とボール奪取能力を持つ
レバートン・ピエール Leverton Pierre(ポルトガル2部:ヴィゼラ) MF 1998/3/9生 181/
 堅実な守備とフィジカルの強さで、ディフェンスラインを保護する。
リカルド・アデ Ricardo Adé(エクアドル:LDUキト) CB 1990/5/21生 190/
 守備の要 フィジカルと対人能力に優れる
カール・サンテ Carl Fred Sainté(アメリカ:フェニックス・ライジング) CB 2002/8/9生 185/
 若くして代表の中心を担うCB 安定したプレーを見せる
ジョニー・プラシド Johny Placide(フランス2部:パスティア) GK 1988/1/29生 181/84
 長年代表のゴールマウスを守るベテラン守護神

チーム特徴・注目度・展望】
カリブ海地域のチームに共通する特徴として、ハイチの選手たちは高い身体能力と爆発的なスピードを備えています強豪国との対戦では、粘り強い守備で耐え、ボールを奪った瞬間に、ナゾンやピエロといった快足FW目掛けて一気にボールを預ける鋭いカウンターアタックが主要な得点パターンとなります
ハイチは国内情勢が不安定なこともあり、選手たちは代表戦に人一倍の誇りと情熱を持って臨みます
困難な状況でも諦めない、ポジティブでエネルギッシュな姿勢は、チームの大きな特徴です
身体能力が高い反面、組織的な守備戦術や、90分間を通して集中力を維持する規律には課題があるといえます
高い身体能力とスピードを活かして、情熱的なカウンターアタックを発揮すれば上位チームに一泡吹かせることが可能なチームです

【備考】
ハイチの地名は、先住民であるタイノ族の言葉で「山がちな土地を意味する「アイティ(Ayiti)」に由来しており、その名の通り国土は山がちです
国土の大部分は険しい山脈で覆われており、平野は限られています この急峻な地形が、農業や交通網の発達を難しくしている一因となっています
過去数十年にわたり、人口増加と貧困による燃料としての木材伐採が進み、深刻な森林破壊が起きました
これにより、国土の保水力が失われ、豪雨やハリケーンが通過する際に大規模な土砂崩れや洪水が頻繁に発生し、自然災害に対する脆弱性が高まっています
熱帯に属し、一般的に高温多湿な熱帯気候です 6月から11月にかけてはハリケーンが襲来するシーズンとなります
同じ島を共有するドミニカ共和国とは対照的に、環境問題、経済格差、政治的混乱といった多くの課題を抱えています