【国・チーム概要】
人口:約2550万人 国土面積:約7,692,000平方キロメートル 首都:キャンベラ 公用語:英語
オーストラリアは南半球に位置する世界最小の大陸であり、国としては世界第6位の面積を持つ広大な国です
日本の約21倍という巨大な国土を持ちながら、その大部分が乾燥地帯であるため、人口の多くは沿岸部の都市に集中しています
オーストラリアは四方を海に囲まれた島国のような大陸国家です
東は太平洋、西と北はインド洋、南は南極海に面しています
北にはパプアニューギニアやインドネシア、南東にはニュージーランドが位置しています
南半球にあるため、日本とは季節が真逆になります(12月〜2月が夏、6月〜8月が冬)
東部高地は、グレートディバイディング山脈(大分水嶺山脈)が海岸線に沿って南北に走りり、比較的雨が多く、シドニーやメルボルンなどの主要都市が集中しています
中央低地は、広大な盆地が広がり、特に大鑽井(だいさんせい)盆地(グレートアーテジアン盆地)は有名で、地下水を利用した牧畜(羊など)が盛んです
西部台地は、大陸の約半分を占める非常に古い大地で、その大部分はグレートサンディ砂漠などの広大な砂漠や乾燥した台地で、鉄鉱石などの資源が豊富です
北部は熱帯(雨季と乾季)、中央部は乾燥した砂漠気候、南部・東部は温帯で四季がはっきりしています
オーストラリアは「スポーツ大国」として知られ、観戦とプレーの両面で非常に活発です
オーストラリアン・フットボール (AFL)は、「国民的スポーツ」の筆頭で通称「フッティ」と呼ばれ、ラグビーとサッカーを混ぜたような独特の激しいスポーツで、観客動員数は国内断トツ1位です
クリケットは、夏のナショナルスポーツで、全土で試合が行われ、ビーチや公園でも親しまれます
ラグビー (NRL / Union)は、特に東部(シドニーやブリスベン)で絶大の人気を誇り、13人制の「ラグビーリーグ (NRL)」がプロリーグとして非常に人気です
一方、日本でも馴染みのある15人制の「ラグビーユニオン」も代表チーム(ワラビーズ)が愛されています
オーストラリアにおけるサッカーは、2025年現在、「競技人口が国内最大でありながら、プロスポーツビジネスとしては過渡期にある、巨大な可能性を秘めたスポーツ」と定義できます
国内プロリーグは2004年に設立され、長らく「昇降格なし」だったシステムに、「ナショナル・セカンド・ティア(2部リーグ)」を新設する動きが本格化しており、リーグ全体の活性化が期待されています
ただし、冬のシーズンはAFL(オーストラリアンフットボール)とNRL(ラグビーリーグ)という二大巨頭が放送権やスポンサーを独占しており、サッカーはこれらと激しいファン獲得競争を強いられていおりビジネス面ではまだまだ課題があります
ワールドカップへは今回含め6大会連続7回目の出場となります
FIFAランキング:26位(2025/11/19付) 24位(2025/10/17付)

【アジア予選】
アジア予選では、グループCに属し、日本に次ぎ5勝4分1敗の2位で、本大会出場権を獲得しました
| 予選 順位 | チーム | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 勝点 |
| 1 | 日本 | 7 | 2 | 1 | 30 | 3 | 23 |
| 2 | オーストラリア | 5 | 4 | 1 | 16 | 7 | 19 |
| 3 | サウジアラビア | 3 | 4 | 3 | 7 | 8 | 13 |
| 4 | インドネシア | 3 | 3 | 4 | 9 | 20 | 12 |
| 5 | 中国 | 3 | 0 | 7 | 7 | 20 | 6 |
| 6 | バーレーン | 1 | 3 | 6 | 5 | 16 | 6 |
| 予選対戦成績 | JPN | AUS | SAU | IDN | CHN | BHR |
| 日本 | - | 1-1 0-1 | 2-0 0-0 | 4-0 6-0 | 7-0 3-1 | 5-0 2-0 |
| オーストラリア | 1-1 1-0 | - | 0-0 2-1 | 0-0 5-1 | 3-1 2-0 | 0-1 2-2 |
| サウジアラビア | 0-2 0-0 | 0-0 1-2 | - | 1-1 0-2 | 2-1 1-0 | 0-0 2-0 |
| インドネシア | 0-4 0-6 | 0-0 1-5 | 1-1 2-0 | - | 1-2 1-0 | 2-2 1-0 |
| 中国 | 0-7 1-3 | 1-3 0-2 | 1-2 0-1 | 2-1 0-1 | - | 1-0 1-0 |
| バーレーン | 0-5 0-2 | 1-0 2-2 | 0-0 0-2 | 2-2 0-1 | 0-1 0-1 | - |
【主力選手】
サッカー男子オーストラリア代表(サッカルー / Socceroos)は、トニー・ポポヴィッチ監督のもと、ベテランの安定感と欧州・Jリーグで活躍する実力者、そして期待の若手が融合した布陣となっています
マシュー・ライアン Mathew Ryan (スペイン:レバンテ) GK 1992/4/8生 184/82
主将 代表通算100キャップを超える絶対的守護神であり、チームの精神的支柱です
キャメロン・バージェス Cameron Burgess (ウェールズ:スウォンジー・シティ) DF 1995/10/21生 194/93
194cmの長身センターバック ポポヴィッチ体制の堅守を支えるディフェンスリーダーです
ジェイソン・ゲリア Jason Geria (日本:アルビレックス新潟) DF 193/5/10生 183/75
2025年に代表復帰を果たし、対人守備の強さを武器にレギュラーに定着しました
ジャクソン・アーバイン Jackson Irvine (ドイツ:ザンクト・パウリ) MF 1993/3/7生 189/74
2025年の代表最多得点者(3ゴール)でもあり、攻守にわたってピッチを駆け回る「チームの心臓」です
コナー・メトカーフ Connor Metcalfe (ドイツ:ザンクト・パウリ) MF 1999/11/5生 183/75
高い技術と献身性を兼ね備えたMF アーバインとのコンビで中盤を支配します
ライリー・マッグリー Riley McGree (イングランド:ミドルズブラ) MF 1998/11/2生 178/78
攻撃的MF 創造性豊かなパスとミドルシュートでチャンスを演出します
ミッチェル・デューク Mitchell Duke (日本:町田ゼルビア) FW 1991/1/18生 186/84
前線での激しいプレスと勝負強さが特徴 大一番で欠かせないベテランです
クレイグ・グッドウィン Craig Goodwin (サウジアラビア:アル・ワフダ) DF 1991/12/16生 180/72
精度の高いクロスとFKを持つ、アジア屈指のキッカーです
ネストリ・イランクンダ Nestory Irankunda (イングランド:ワトフォード) FW 2006/2/9生 174/74
19歳の新星 圧倒的なスピードと得点力を持つ「次世代のスター候補」 本大会での爆発に期待
ハリー・サウター Harry Souttar (イングランド:レスター) DF 1998/10/22生 198/88
空中戦の強さは世界トップクラス 代表チームでは36試合出場で11得点と、センターバックとしては異例の得点力
【チーム特徴・注目度・展望】
サッカー男子オーストラリア代表(サッカールーズ)は、伝統的な強みに加え、2024年に就任したトニー・ポポヴィッチ監督のもとで新たなスタイルへと変貌を遂げつつあります
ポポヴィッチ体制ではバック5(3バック+2ウイングバック)をベースとした、非常に規律正しい守備組織が構築されています
2025年のW杯予選でも日本やサウジアラビアといった強豪相手に粘り強い守備を見せ、大崩れしない「トーナメント仕様」のチームへと進化しています
伝統的に身体能力が高く、特にセットプレーでの強さはアジア屈指です
ハリー・サウター(198cm)のような大型DFをターゲットにした攻撃は、格上の相手にとっても大きな脅威となります
守備を固めてからの素早いカウンターが持ち味で、特にネストリ・イランクンダのような爆発的なスピードを持つ若手や、ライリー・マッグリーのような創造性のあるMFが、サイドからチャンスを創出します
堅守の一方で、引いた相手を崩すアイデアや、決定的なストライカーの不在が長年の課題です
格下相手にボールを保持しても、決定機を決めきれずに勝ち点を落とす場面が散見されます
中盤でボールを繋いでゲームをコントロールする能力が、欧州や南米のトップ層と比較するとまだ物足りません
プレッシングをかけられるとロングボールに頼らざるを得なくなり、単調な攻撃に陥りやすい傾向があります
ジャクソン・アーバインやハリー・サウターといった核となる選手が怪我や不調で離脱すると、攻守のバランスが大きく崩れる傾向にあります
若手の育成は進んでいるものの、経験豊富なベテランとの実力差をどう埋めるかが課題です
守備から入り、フィジカルを活かしてしぶとく戦う というスタイルは、強豪国を苦しめる力を秘めています
過去6回の出場のうち2回グループリーグを突破していますが、トーナメントではいずれも初戦で敗れています
今大会はポット2の位置からの参戦ということで、グループリーグ突破はもちろんその先過去最高の成績が期待されています
【備考】
オーストラリアにカンガルーやコアラなどの有袋類(ゆうたいるい)が多い理由は、主に「大陸の孤立」と「天敵不在による独自の進化」という2つのドラマチックな歴史が関係しています
約5,000万〜4,500万年前にオーストラリア大陸が他の大陸(南極や南米)から完全に切り離され、独立した島大陸となりました
大陸が離れる直前、有袋類の祖先が南米から南極を経由してオーストラリアへ渡っていました
その後大陸が孤立したため、彼らは「袋の中で子を育てる」という特徴を持ったまま、閉じ込められる形になったのです
世界中の他の地域では、人間と同じように子宮内で子を大きく育てる「有胎盤類(ゆうたいばんるい)」というグループが進化しました
有胎盤類は脳が発達しやすく、生存能力が高いため、他の大陸では有袋類を圧倒して絶滅させてしまいました
しかし、オーストラリアには有胎盤類が侵入できなかったため、カンガルーやコアラたちは強力なライバルや天敵に襲われることなく、独自の進化を遂げることができました
オーストラリアは乾燥が激しく、栄養の乏しい土地が多いのが特徴です
コアラは栄養価が低く毒性のあるユーカリを食べることで他の動物との競合を避け、カンガルーは少ないエネルギーで遠くまで移動できる「跳躍」を身につけました
ライバルがいない広い土地で、彼らは「草原を走るもの(カンガルー)」「木の上で暮らすもの(コアラ)」「地中を掘るもの(ウォンバット)」と、それぞれの場所に適応して繁栄していきました
「有胎盤類という強敵が来る前に大陸が切り離され、何千万年もの間、平和な『天然のシェルター』で独自の進化を守り抜いたから」といえます