【国・チーム概要】
人口:約250万人 国土面積:約11,400平方キロメートル 首都:ドーハ 公用語:アラビア語
カタールは、アラビア半島からペルシャ湾(アラビア湾)に突き出した、小さな半島国家です
陸路で唯一国境を接しているのは南側のサウジアラビア(約60km〜87km)のみです
三方をペルシャ湾に囲まれており、北西には島国バーレーン、東から南東にかけては海を挟んでアラブ首長国連邦(UAE)があります
面積は、日本の秋田県とほぼ同じくらいのサイズです
国土の大部分は平坦な砂漠(岩石砂漠や砂丘)で、目立った山や川はありません
クライン・アブ・アル・ボウル(Qurayn Abu al Bawl)で、標高はわずか約103mです
亜熱帯砂漠気候で、夏(5月〜9月)は非常に暑く、気温が45°C〜50°Cに達することもあります
湿度も高く、非常に過酷な環境です
冬(11月〜3月)は、平均気温が20°C前後と非常に穏やかで過ごしやすく、観光のベストシーズンです
降水量は、年間を通じて極めて少なく、農業には向かないため、生活用水の多くを海水淡水化に頼っています
首都ドーハは東海岸に位置し、国の政治・経済の中心地で、全人口の8割以上がこの首都圏に集中しています
カタールは、その小さな国土の下に世界有数の天然ガス・石油資源を抱えており、地理的な小ささに反して、中東でも非常に大きな経済・外交的影響力を持っています
カタールではアラブの遊牧民族(ベドウィン)の文化に根ざしたスポーツが盛んです
ラクダレースは、カタールを代表する伝統競技で、現在は「ロボット騎手」がラクダを操り、飼い主が横を4WD車で並走しながら応援する独自のスタイルが見られます
鷹狩り(ファルコノリー)はスポーツというよりは高貴な趣味・文化に近いものですが、非常に人気があり、専用の病院や市場、大規模な競技会も存在します
アラブ種の馬は世界的に有名で、美しい馬たちが競うレースやショーが盛んです
クリケットは、競技人口としてはサッカーに匹敵するほど非常に人気があります
ハンドボールのカタール代表は世界選手権で準優勝(2015年)した経験もあり、中東では屈指の強豪国です
サッカーは、カタールでは最もファンが多く、競技人口も最大のスポーツです
国内には「カタール・スターズリーグ」というプロリーグがあり、世界的な有名選手や監督が所属することでも知られています カタール代表(愛称:ザ・マルーン)は2019年と2023年のアジアカップで連覇を達成しており、国を挙げて盛り上がっています
ワールドカップへは今回含め2大会連続2回目の出場となります
FIFAランキング:51位(2025/11/19付) 52位(2025/10/17付)

【アジア予選】
アジア3次予選(グループ2位以内で本大会出場)では、グループAに属し、イラン、ウズベキスタン、アラブ首長国連邦に続く4位となり、ここでの本大会出場は果たせませんでしたが、4次予選(グループ内1位で本大会出場)グループAにて、アラブ首長国連邦、オマーンを相手に1位になり本大会出場を果たしました
| 3次予選 順位 | チーム | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 勝点 |
| 1 | イラン | 7 | 2 | 1 | 19 | 8 | 23 |
| 2 | ウズベキスタン | 6 | 3 | 1 | 14 | 7 | 21 |
| 3 | アラブ首長国連邦 | 4 | 3 | 3 | 15 | 8 | 15 |
| 4 | カタール | 4 | 1 | 5 | 17 | 24 | 13 |
| 5 | キルギス | 2 | 2 | 6 | 12 | 18 | 8 |
| 6 | 北朝鮮 | 0 | 3 | 7 | 9 | 21 | 3 |
| 3次予選対戦成績 | IRN | UZB | ARE | QAT | KGZ | PRK |
| イラン | - | 0-0 2-2 | 1-0 2-0 | 4-1 0-1 | 1-0 3-2 | 3-2 3-0 |
| ウズベキスタン | 0-0 2-2 | - | 1-0 0-0 | 2-3 3-0 | 3-2 1-0 | 1-0 1-0 |
| アラブ首長国連邦 | 0-1 0-2 | 0-1 0-0 | - | 3-1 5-0 | 3-0 1-1 | 1-1 2-1 |
| カタール | 1-4 1-0 | 3-2 0-3 | 1-3 0-5 | - | 3-1 1-3 | 2-2 5-1 |
| キルギス | 0-1 2-3 | 2-3 0-1 | 0-3 1-1 | 1-3 3-1 | - | 1-0 2-2 |
| 北朝鮮 | 2-3 0-3 | 0-1 0-1 | 1-1 1-2 | 2-2 1-5 | 0-1 2-2 | - |
| 4次予選順位 | チーム | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 勝点 |
| 1 | カタール | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 | 4 |
| 2 | アラブ首長国連邦 | 1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 3 |
| 3 | オマーン | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 |
| 4次予選対戦成績 | QAT | ARE | OMN |
| カタール | - | 2-1 | 0-0 |
| アラブ首長国連邦 | 1-2 | - | 2-1 |
| オマーン | 0-0 | 1-2 | - |
【主力選手】
サッカーカタール代表は、近年アジアカップで2連覇(2019年・2023年)を達成するなど、アジア屈指の強豪国として知られています 現在の主力選手は、国内リーグの名門「アル・サッド」や「アル・ドゥハイル」に所属する選手が多く、長年の連携が強みです
アクラム・アフィーフ Akram Afif (カタール:アル・サッド) FW 1996/11/18生 177/69
カタール最大のスター 圧倒的なテクニックとスピードを誇り、2023年アジアカップでは得点王とMVPを獲得
2度の「アジア年間最優秀選手」にも輝いており、彼の調子がチームの勝敗を左右します
アルモエズ・アリ Almoez Ali (カタール:アル・ドゥハイル) FW 1996/8/19生 180/72
抜群の得点感覚を持つストライカー 2019年アジアカップでは大会記録となる9ゴールを挙げました
アフィーフとの名コンビは「アジア最強のデュオ」の一つと呼ばれます
アブドゥルアズィーズ・ハーティム Abdulaziz Hatem (カタール:アル・ラーヤン) MF 1990/10/28生 182/73
強烈なミドルシュートと豊富な運動量を持つボランチ 大事な場面でゴールを決める勝負強さがあります
マシャアル・バルシャム Meshaal Barsham (カタール:アル・サッド) GK 1998/2/14生 180/73
2023年アジアカップで「最優秀GK」に選ばれた守護神 驚異的な反射神経を持ち、PK戦にも非常に強い
エジミウソン・ジュニオール Edmilson Junior (カタール:アル・ドゥハイル) FW 1994/8/19生 181/71
元々ベルギー国籍ですが、長年カタールでプレーし帰化 新たな攻撃のオプションとして期待されている
ブーアッラーム・フーヒー Boualem Khoukhi (カタール:アル・サッド) DF 1990/7/9生 184/78
高い守備能力と空中戦の強さを誇る ディフェンダーとしては異例の得点能力を持っている
ペドロ・ミゲル Pedro Miguel (カタール:アル・サッド) DF 1990/8/6生 182/78
強固な守備に加え、右サイドからの攻撃参加も得意とする多才なDF
ジャセム・ガベル Jassem Gaber (カタール:アル・ラーヤン) DF 2002/2/20生 188/73
センターバックだけでなく、守備的ミッドフィールダーとしても高いレベルでプレーできるポリバレントな選手
【チーム特徴・注目度・展望】
カタール代表は、スペイン人のフェリックス・サンチェス(元監督)や、現在のフレン・ロペテギ監督のもと、スペイン流のパスサッカーと、砂漠のチームらしい鋭いカウンターを組み合わせたスタイルを確立しています
エースのアクラム・アフィーフの創造性と、アルモエズ・アリの決定力を活かした素早い切り替えが最大の武器です
アジア圏ではこの2人の個の能力だけで試合を決められる強さがあります
育成機関「アスパイア・アカデミー」出身の選手が多く、10代の頃から同じ哲学でプレーしているため、連携が非常にスムーズで、アジアカップ連覇という「勝ち方」を知っている経験値も大きな強みです
基本は5バック(5-4-1)や3バックをベースに守備を固めますが、ロペテギ監督就任後は、中盤でのパス回しのスピードを上げ、より攻撃的なポゼッションと素早いトランジション(攻守の切り替え)を融合させています
最近の予選(対UAE戦など)でも見られるように、コーナーキックやフリーキックからフーヒーやペドロ・ミゲルといったDF陣がヘディングで得点する形が確立されており、膠着状態を打破する武器になっています
攻撃のほとんどがアフィーフとアリの2人に依存しており、彼らが封じられたり、怪我で欠場したりすると、得点力が著しく低下する傾向があります
試合終盤の失点や、不要なカードによる退場が見られ、緊迫した場面での規律面が課題とされています
アジア圏では無類の強さを誇りますが、2022年ワールドカップで露呈したように、欧州や南米の強豪国を相手にすると、フィジカルの強度やプレッシングの速さに圧倒され、自慢のパス回しが機能しなくなることがあります
ハイドゥースなどのレジェンドが引退・ベテラン化する中で、ジャセム・ガベルのような若手が台頭してはいるものの、黄金世代に代わる新しい才能が全ポジションで十分に揃っているとは言い切れない状況です
2026年大会は「開催国枠ではなく、自力で予選を勝ち抜いて出場する初めてのワールドカップ」という非常に大きな意味を持っています
2022年の自国開催大会では、開催国として史上初めて「3戦全敗・勝ち点0」でグループステージ敗退という悔しい結果に終わりました
そのため、2026年大会での現実的かつ最大の目標は以下の2点に集約されます
1.ワールドカップ初勝利を挙げること
2.初のグループステージ突破(ベスト32進出)を果たすこと
アジア王者として、まずは世界を相手に「通用すること」を証明するのが彼らの至上命題
【備考】
カタールは、アラビア半島の伝統と超近代的な未来が融合した非常に魅力的な国です
ドーハを中心に、デザイン性の高い建築物や歴史的なスポットが点在しています
インランド・シー (Khor Al Adaid)は、砂漠の砂丘が直接海に流れ込む、世界でも珍しい自然遺産です
スーク・ワキーフ (Souq Waqif)は、迷路のような路地にスパイスや伝統工芸品、宝石などが並ぶ伝統的な市場で、ラクダやハヤブサが売られているエリアもあり、中東の活気を肌で感じられます
カタール国立博物館は、「砂漠のバラ(ローズ・ド・サハラ)」という結晶をモチーフにした、極めて斬新な外観の博物館で、カタールの歴史を最新の映像技術で学べます
デーツ(ナツメヤシの実)は、カタールで最も一般的な特産品で、チョコレートがかかったものや、ナッツを挟んだ高級デーツはお土産に最適です
カタール料理は、アラブの伝統にスパイス文化が混ざり合った奥深い味わいです
カラク・ティー (Karak Tea)は、紅茶に牛乳、砂糖、カルダモンなどのスパイスを加えて煮出した濃厚なミルクティーで市民の日常に欠かせない飲み物です
マクブース (Machboos)は、肉(鶏、羊、魚など)と一緒にスパイスで炊き込んだ、カタールの国民的な炊き込みご飯です
カタールではハヤブサは非常に神聖な動物とされており、スポーツや伝統文化として深く根付いており、スークの中には「ハヤブサ専用の病院」まであり、国民のハヤブサ愛を垣間見ることができます