【国・チーム概要】
人口:約4850万人 国土面積:約506,000平方キロメートル 首都:マドリード 公用語:スペイン語
ヨーロッパ南西部の先端に位置しており、イベリア半島の大半を占める国です
東側と南側は、地中海に面し、西側と北側の一部は大西洋に面しています
スペインは以下の国々・地域と陸上の国境を接しています
 北東は、フランスとアンドラ公国(ピレネー山脈を境とする) 西はポルトガル
南は、ジブラルタル海峡をはさんで、モロッコと接しています
国土面積は日本の約1.3倍です
イベリア半島本土のほか、地中海のバレアレス諸島や大西洋のカナリア諸島、アフリカ大陸沿岸の自治都市(セウタ、メリリャ)などが含まれています
スペインでは、サッカー、バスケット、テニス、自転車競技などが盛んで、テニスプレイヤーのラファエル・ナダルは「クレーコートの王者」として知られ、テニス人気を牽引しています
中でもサッカーは、間違いなくスペインで最も人気があり、国民的な熱狂を呼ぶスポーツです
優れた育成システムを持ち、常に世界トップレベルの選手を輩出しています
スペイン代表チームは、FIFAワールドカップやUEFA欧州選手権で優勝経験を持つ世界的な強豪です
国内プロリーグであるラ・リーガは、世界最高峰のリーグの一つと見なされ、「レアル・マドリード」と「FCバルセロナ」といった超強豪チームがあります

ワールドカップへは今回含め13大会連続17回目の出場となります
2010年大会ではオランダを破り悲願の初優勝を遂げました
UEFA欧州選手権においては優勝4回と最多優勝記録を持っています

FIFAランキング:1位(2025/11/19付) 1位(2025/10/17付)

【欧州予選】
欧州予選では、グループEに属し、トルコを抑え5勝1分で通過し、本大会出場権を獲得しました

順位チーム得点失点勝点
スペイン51021216
トルコ411171213
ジョージア1057153
ブルガリア1053193
ESPTURGEOBGR
スペイン6-0
2-2
2-0
4-0
3-0
4-0
トルコ0-6
2-2
3-2
4-1
6-1
2-0
ジョージア0-2
0-4
2-3
1-4
3-0
1-2
ブルガリア0-3
0-4
1-6
0-2
0-3
2-1

【主力選手】
スペイン代表チームは、伝統的に中盤の技術に優れた選手を多く輩出し、「ラ・ロハ(La Roja)」の愛称で知られています 主力選手には若い才能と経験豊富な選手が融合しています
ロドリ Rodri (イングランド:マンチェスター・シティ) MF 1996/6/22生 190/
 世界最高の守備的ミッドフィールダー 抜群のボール奪取能力、正確なパス、そして高い戦術眼で中盤を支配
 現代スペイン代表の心臓であり、最も欠かせない選手です
ガビ Gavi(パブロ・パエス) (スペイン:FCバルセロナ) MF 2004/8/5生 174/69
 非常に若くして代表の中心選手となった天才ミッドフィールダー 
 闘志溢れるプレー、ボールコントロール、そして高い運動量が持ち味
ペドリ Pedri(ペドロ・ゴンサレス・ロペス) (スペイン:FCバルセロナ) MF 2002/11/25生 174/68
 卓越したビジョンとテクニックを持つ中盤の司令塔 美しいパスとボールキープで攻撃を組み立てます
 ガビと共に、次世代のスペイン代表を担う存在です
ダニ・カルバハル Dani Carvajal (スペイン:レアル・マドリード) DF 1992/1/11生 173/73 
 経験豊富なサイドバック 守備の安定感と、積極的に攻撃参加する推進力を兼ね備えています
ウナイ・シモン Unai Simón (スペイン:アスレティック・ビルバオ) GK 1997/6/11生 190/86
 スペイン代表の正GK 安定したセービング能力と、足元の技術の高さでビルドアップにも積極的に参加します
ニコ・ウィリアムズ Nico Williams (スペイン:アスレティック・ビルバオ) FW 2002/7/12生 181/67
 驚異的なスピードとドリブル突破を武器とする若手アタッカー 縦への推進力で相手守備を切り崩す

チーム特徴・注目度・展望】
伝統的にFCバルセロナやレアル・マドリードの選手を核とし、短いパスを連続して繋ぐことでボールを支配し、相手を押し込むスタイル(いわゆる「ティキ・タカ」)を基本としています
黄金期のような極端なボール保持に固執せず、近年は縦への速さや、ロドリ選手を起点とした守備の安定性も重視するようになっています
ロドリ、ペドリ、ガビといった、世界最高水準の技術、戦術眼、そして運動量を兼ね備えた中盤の選手たちが核となり、彼らが試合のリズムを作り、ボール保持率を高めます
中盤の選手たちの技術が高いため、相手にボールを奪われにくく、試合の主導権を握り、相手を疲れさせ、ミスを誘発する効果があります
ロドリは、単なる守備だけでなく、パスの中継点としても機能し、ビルドアップの質を劇的に向上させ、彼の存在により、かつて課題とされた守備の強度が大幅に向上しました
ニコ・ウィリアムズなど、スピードとドリブルに優れたウィングの選手が台頭したことで、単なる中央からのパス回しだけでなく、サイドを深くえぐってチャンスを作るパターンが増えました
中盤のパスワークでゴール前までボールを運ぶ能力は高いものの、ゴール前で一発で決めきれるワールドクラスのセンターフォワードが長らく不在です 多くのチャンスを作りながらも、得点力の低さから勝利を取りこぼしたり、PK戦までもつれたりする傾向が見られます
特に相手が引いて守りを固めてきた場合、パス回しが横へのパス交換に偏り、相手守備ブロックを崩しきれないまま停滞してしまうことがあります
技術を重視する育成背景から、フィジカルコンタクトの強い相手や、ヨーロッパ北部や南米のチームとの激しいデュエル(球際)の競り合いで、押し負けてしまうことが時折見られます
2024年開催のUEFA EURO 2024では、グループステージで前回王者イタリアや強豪クロアチアを抑えて突破した後、決勝トーナメント準々決勝で開催国ドイツ、準決勝で優勝候補の一角フランス、そして決勝でイングランドという難敵を次々と破り、その強さを見せつけました
今回のワールドカップでも、優勝候補の筆頭といっても過言ではないでしょう

【備考】
スペインは、「情熱の国」と呼ばれる通り、歴史、芸術、美食、そして太陽と海に恵まれた、非常に魅力的な国です
アントニ・ガウディの作品であるサグラダ・ファミリア(未完の大聖堂)、グエル公園、カサ・ミラなどは、独創的で色彩豊かな建築です
スペインは、オリーブオイルの生産量においても常に世界最大であり、生産量・輸出国ともに世界第一位です
広大なアンダルシア地方のオリーブ畑は「オリーブの海」と呼ばれるほどで、最高品質のエキストラバージンオイルが多数あります
パエリアは、スペイン東部に位置するバレンシア州が発祥で農民や漁民が、昼食に身近な食材(ウサギ肉、鶏肉、カタツムリ、豆など)と米を屋外で炊き込んで食べた、シンプルで質素な料理でした
「パエリア」と聞いて日本人がイメージする魚介がメインのパエリアは、実は本場の伝統とは異なります
海沿いで生まれた料理ではないため、伝統的なパエリア・バレンシアーナには魚介類はほとんど使用せず、鶏肉、ウサギ肉、インゲン豆、モロッコ豆など、山の幸が中心です